今回は、「働き方」について紹介します。
- 仕事が終わらない
- やりたい事が出来ない
- 頑張っているのに成果が出ない
- 海外の働き方を学びたい
- ビジネススキルを磨きたい
社会人の皆様は、常に時間との勝負をしていると思います。やりたい事をやる為に、多くのタスクをこなし、自分の時間を作り出しますが、そんなにうまくいく事ばかりではないですよね。しかしドイツ人は、仕事で成果をしっかりあげながら、残業無し、長期休暇を取得等、人生を謳歌しております。日本人と一体何が違うのか、理由を深掘りして自分のスキルアップに繋げましょう。
参考書籍:ドイツ人のすごい働き方
書籍情報

<書籍情報>
ドイツ人のすごい働き方
*著者:西村栄基
*発行:すばる舎
*画像引用:Kindle
【はじめに】
ドイツ人の生活
ドイツ人は、朝早くに働き始め、夕方には颯爽と仕事を終えます。仕事をおろそかにしているわけではなく、顧客の厳しい要望にもしっかり応え、限られた時間で最高の効率を発揮し結果を出します。
そして、仕事を終えた後には、趣味を楽しんだり、家族との時間を過ごしたりと、仕事とプライベートを両立します。
仕事に対する姿勢は徹底されており、効率化・ビジネススキル・会議の仕方・眠気対策・等々、時間を無駄にしないという考え方が根付いています。
ドイツ人の休日
ドイツ人の基本的な休日は、土日祝で年間110日+有給30日の計140日です。1年間の4割が休みといえます。
旅行会社のセールスで長期休暇は旅行に行くものという文化が根付き、役職に関係無く、2週間程度の休みをとり、ビーチ等でのんびりバカンスを楽しむそうです。
ドイツ人の歴史の中で、会社で働くということは、土地やしがらみのない「労働者」という立ち位置が確立され、個人として自立し自分の人生は自分で構築するとい考え方をしています。
日本人とそんなに違うのか?
日本とドイツを数値で比較すると、こんなに違います。
- GDPは、日本を抜き世界第3位
- 日本より労働生産性が1.5倍高い
- 日本より労働時間が年間266時間短い
- 日本より平均賃金が約40%高い
これだけ見るとドイツ人の生産性の高さは凄いと思います。しかしドイツ人と日本人の気質はとても似ていて両者とも非常に勤勉です。
文化の違いで、ドイツ人は生産性を高める働き方になっており、日本人がダメでドイツ人が優れているという事ではないと思っています。
しかし、日本の昨今の働き方の改善にはドイツ人の働き方というのが非常に参考になる部分が多いと思いますので、真似できるとこは真似し、日本の文化の良いところは残し、良いとこどりするのが一番良いと考えております。
【3つのまなび】
まなびを3つにわけてみたぞ!!
1.整理整頓

①徹底した整理整頓マインド
ドイツ人は、整理整頓が生活の一部として根付いており、「調子どう?」とかの挨拶と同じように、「片付いてる?」と聞くそうで、整理整頓出来ていない事は恥ずかしい事なのかもしれません。
かなり徹底したマインドの為、オフィスの机を見回しても、どの机も綺麗に片付いています。机の上は頭の中を表しているといわれており、綺麗にすることで、頭の中もリセットされるそうです。
コツは、物の置く場所を決めて、出したら戻す、それだけだそうです。
そして、日本でも馴染みのある”5S”が徹底されております。
- 整理:不要な物を排除
- 整頓:場所を決める
- 清掃:綺麗にする
- 清潔:綺麗を維持する
- 躾(しつけ):ルールを習慣化する
②新年にやること
ドイツ人の一年の始まりは、一年間のカレンダーを俯瞰して眺め、まず長期休暇をいつにするか設定します。
そして、仕事ではどんなプロジェクトに挑戦するか、家族とは何をするのか、自己投資をして何を学ぶのか等、コーヒーを飲みながら一つ一つカレンダーに記入していきます。
ポイントは、長期休暇をメインと考えながら、遊ぶ事も自己成長させる事も計画を練る事で、この1年間の生きる意味を作るというところです。
③長期休暇は何をするのか
長期休暇を大切にするドイツ人は、休暇中何をしているのかというと、ビーチに行ったり、山に登ったり行く場所は様々ですが、目的は大体同じで、とにかく頭の中を空っぽにするそうです。
ホテルも食事付にして、ビーチで寝そべるただビールを飲んでいるだけ。初めの1週間は仕事の事がよぎるが、2週間目からは何も考えなくなるそうです。
これだけ聞くとダラダラしているだけに思えますが、よく考えると瞑想と同じ事をしており、最近の言葉でいうと、ドイツ式の“マインドフルネス”なのかもしれません。
なので、長期休暇が終わった社員は、みんな清々しい顔で戻ってきて、仕事もより一層精が出て、全てがプラスのスパイラルになっているそうです。
2.集中・効率化テクニック

ここでは、ドイツ人のすごい働き方をさらっと紹介していきます。
時間の作り方
①早寝早起
すごくシンプルですが、ドイツ人はほとんどの人が早寝早起で、朝7時には仕事をスタートし、午後3時頃には仕事を終えるほどスピードが速いです。仕事が終わってからの時間も長いので、副業や地域の活動、家族や趣味等々に充てることも出来るので、1日を長く感じる事が出来ます。
②起床後のルーティン自動化
1日の始まりは、寝る前に決めておきます。もっというと、中長期的な目標を決めて、日々の行動も決めておきます。そして、毎朝起きたら何をするかを寝る前に決めておくと、起きてから体が勝手に動きます。
③会議の棚卸
会議は何かを決定する為の場所です。進行する人、情報共有する人、決定する人等々、役割を明確にします。発言をしない人は出席の必要が無いのと、報告だけの様な会議は本当に必要なのか、会議の棚卸を常に行います。
④時間制限
「仕事の量は、完成のために与えられた時間を全て満たすまで膨張する」と言われており、成果物を先に置くと、時間を無限に使ってしまいます。反対に時間を先に置き、その時間内で成果物を作るという考え方に変えると、その時間でどう作るかを考えます。あえて逆説的に考える事で、結果的にスピードアップに繋がります。
⑤リセットボタンを作る
疲れた時、もしくは疲れる前にリセットする事で、仕事のパフォーマンスを下げずに継続する事が出来ます。昼寝や散歩、目の休養、週末の過ごし方等々、自分なりのリセットボタンを作る事も大切です。
組織の作り方
①ディベートで意見を言い合う
ドイツ人は、学校教育を通じてディベートを行う文化があります。人を説得するには、情熱的(パトス)かつ論理的(ロゴス)で、相手の信頼と尊重という倫理的配慮(エトス)の3要素が必要と言われており、ディベートを日常的に行う事で、建設的なコミュニケーションがとれるようになります。
②仕組み作り
一人が休んで止まるようなシステムは問題があると考え、担当者が突然病欠で休むことも想定して、属人化されないマニュアル化を徹底している。ちなみに、病欠は誰も文句言わないし、有給にもならないそうです。
③同じミスを二度と起こさない
一度ミスをすると、人が悪いのではなくシステムに問題があると考え、根本的に「なぜ?」を問い詰めていき、問題発生の原因を探す。チェックリストを作るという安易な考え方は、問題を複雑にするだけで問題は無くならない。
④トラブルから学ぶ
トラブルが起きても動揺することはありません。むしろ自分に今何が出来るのかを冷静に考え、解決に向けて行動に移します。これは、現在の業務の改善に活かせるとポジティブに考えているから。ピンチをチャンスに変えようとワクワクしてくるそうです。
⑤8割を目指す
完璧より実用的を重視します。パレートの法則というものがあり、2割の要素が全体の8割の成果を生み出しているといいます。細かいところをこだわるより、大きな視野で仮設と検証を高速で繰り返す方が効率がいい事を理解しています。
3.ハイブリッドな働き方

ドイツ人の凄さを紹介してきましたが、日本人がダメという事はありません。むしろ日本人の優れたところ、日本ならではの文化もあります。
そして、日本人とドイツ人は気質が似ており、両者とも勤勉です。どちらが良い悪いではなく、いいとこどりをする考え方が一番合理的かと思いますので、ハイブリッドな働き方をご紹介します。
①見える化
ドイツ人は、業務をマニュアル化し属人化を防ぎます。一方、日本人は担当者の能力で仕事を作り、自らのスタイルを確立させながら業務幅を増やしていきます。
このスタイルが日本全国で根付いているので、簡単に変える事は出来ませんが、タスクを見える化することは出来ると思います。
自分の仕事は自分の手柄という考えを少し横に置いて、自分が今どんな案件を抱えているのか、重要度・緊急度はどうなのか、そのあたりを見える化して共有することで、属人化が緩和され、突然休む必要がある際も周囲に協力を依頼する事も出来て、結果的に自分の負担を下げる事が出来る様になります。
②仕事のストック化
全ての仕事に意味があります。ただ、業務量が多いあまりに、どれだけ早くタスクをこなすかに目が行きがちで流すような仕事をしてしまいがちです。これでは必要な仕事かどうかを疑う間もなく消えてしまいます。
結果、時間の無駄である事にも気づかず、惰性で仕事をします。
ドイツ人は、流すような仕事を嫌い、常に仕事の目的を考え新しい仕事を未来に残す、いわゆる仕事のストック化をしていきます。流すような仕事がある場合は、根本は何か全体像を意識しながら、出来るだけ時間をかけないように自動化を検討します。
- 考える時間を確保
- 業務フローを作り全体像を把握
- 定型業務と否定型業務に分類
- 定型業務をマニュアル化
- マニュアル化した業務を自動化、得意な人に任せる
このような仕事のストック化を時間をかけてでもする事で、結果的に必要で意味のある仕事に時間をかける事が出来、人生が上向きのスパイラルになります。
③自分ブランド化
まず、人材には以下3種類があります。
■『I型』人材
狭い範囲での深い知識を持ち、専門性を発揮
”I”のように、特定分野の深掘りと精密な作業に優れている
■『T型』人材
特定分野の専門知識をベースに、他分野わたる幅広い知識がある
多角的な視点で、異なる分野との連携をする
■『V型』人材
特定分野の専門知識を、接続する他分野の理解もある
広い視点で問題解決やプロジェクトの推進を得意とする
このような人材の種類がありますが、日本人は残念ながらどれにも当てはまらず、社内業務に特化した『ジェネラリスト』という人材が多くを占めます。これは、終身雇用が生んだ、一つの会社の中のみで活躍する、いわゆるガラパゴススキルです。
とはいっても、スキルの棚卸をすると、確かにその会社でしか通用しない社内ルール等もありますが、コミュニケーション力や問題解決スキル、マネジメントスキル等の、汎用性の高いいわゆるポータブルスキルもあります。
このポータブルスキルを磨く事を意識する事で市場価値を高める事が出来るので、自分の強みを明確化し、会社を捨てて個人としての魅力アップに意識を向ける事が重要です。
まとめ
簡単におさらい
- 整理整頓の大切さを理解し実行する
- 効率化テクニックを実践する
- ハイブリッドな働き方を取りいれる
ということで、今回は、
「やりたい事を全部やる!【ドイツ人のすごい働き方】」
についてでした。





















