今回は、「休養」について紹介します。
- 寝ても疲れがとれない
- 疲労がたまりやすい
- やる気が出ない
- 休み方がわからない
- 正しい休養を理解したい
疲れたら休む。とても当たり前の事ですが、正しい休み方というのを理解している人はどのくらいいるのでしょうか??しっかり寝れば疲れは取れると思いがちですが、本当に疲れは取れていますか??本当の『休養』について学んだ内容をご紹介します。
参考書籍:休養学
書籍情報

<書籍情報>
休養学
*著者:片野秀樹
*発行:東洋経済新報社
*画像引用:Kindle
【はじめに】
健康の3大要素
早速ですが、健康の3大要素はなんでしょうか。
健康の3大要素:『栄養』『運動』『休養』
この3つが健康に大切と言われております。
栄養や運動については、学校でしっかり学んできましたが、休養だけは学ぶ事は少ないと思います。むしろ、休養なんて寝るだけでしょ?と思いがちで、子どもの頃に疲れたら寝るという感覚のまま大人になり、わざわざ学ばないという人も多いのではないでしょうか。
一流アスリートは休養の重要性を理解し、サッカーのクリスティアーノ・ロナウドも野球の大谷翔平も休み方にはとことんこだわり、ここぞという時に最大のパフォーマンスを発揮できるようにしています。
疲労は体への警告です。
疲労というのは、体がダメージを負っており、すぐに休みなさいという警告です。
糖分やカフェインで疲労をマスキングする事は出来ますが、一時的に体を騙しているだけなので、疲労は蓄積されていきます。
そして眠るだけでは疲労は完全回復しません。そもそも、眠ることは休養ではないのです。
休養を正しく理解すると、健康的になり毎日が楽しくなると思います!!
是非参考にしてみてください。
【3つのまなび】
まなびを3つにわけてみたぞ!!
1.疲労の正体

①『疲労』とは??
『疲労』という言葉をかみ砕いて説明すると、体や頭を使った事で、活動能力が下がった状態をいいます。100m走を走った直後に同じ速度でもう一度走れないと思います。体だけではなく頭も一緒で、試験を受けた後はグッタリする事があるように、精神的な活動も肉体的な疲労に結び付きます。
すこし難しく言うと・・・
人間の体は「神経系(伝達)」と「内分泌系(作る)」と「免疫系(守る)」の3つの制御システムでバランスをとっており、外的刺激(肉体的・精神的ストレス)により一つがバランスを崩しても、他の2つがカバーして時間稼ぎをしてくれます。その間にバランスを直すことで、正常な状態に戻ります。
『疲労』しているという事は、体のバランスが崩れているという重要なサインとなります。
無視を続けると病気になる可能性が高いため、早めの処置が必要なんですね。
②『疲労感』とは??
『疲労』は体の状態を表しているもので、『疲労感』は「疲労しているので、休んでください。」というアラートと思って頂くとわかりやすいと思います。
人間の体の不調のサインとして『痛み(頭痛、胃痛)』『発熱』『疲労』があり、これを3大アラートといいます。
これはどの動物にも備わっており、疲労感が出れば直感てきに休むのですが、人間は疲労のアラートを軽視して、素直に受け入れず、カフェインやエナジードリンクでマスキングしてしまったりします。
マスキングしたその先は、燃え尽き症候群という状態に入り12段階の階段を上っていき、頑張る⇒引きこもる⇒うつ状態⇒燃え尽きる(バーンアウト)という日常生活がままならない状態に陥る可能性もあります。
人間は永遠に頑張る事は出来ません。長く成果を出し続けるには、適度に休む事が重要です。
③疲労の原因は、ストレスです。
人間の体は、『自律神経』という呼吸や血流・臓器を自動的に制御する神経があります。この自律神経の中には、アクセル役の交感神経と、ブレーキ役の副交感神経が24時間サイクルで、交互にうまくバランスをとってくれています。
そこに日常生活で起こる様々なストレスがかかると、自律神経に影響を与え、疲労への引き金と変わります。
詳しく話すと長くなりますので、どんなストレスがあるのかだけご紹介します。
- 物理的ストレス
暑さ、寒さ、騒音、混雑、振動 - 化学的ストレス
公害、薬物、化学物質 - 心理的ストレス
不安、緊張、怒り、悲観 - 生物学的ストレス
最近、感染、ダニ - 社会的ストレス
家族関係、友人関係、人間関係
ストレスと聞くと悪い事ばかりに思いますが、引っ越しや結婚等、環境の変化もストレスの一つです。様々な事で体に影響が出ているので、体に不調を感じた際は、上記ストレス5選を思い出すと原因もわかり少し楽になるかもしれないですね。
2.休養の基礎知識【重要】

★この章では、一番伝えたい事を書いております。
①休養の勘違い
冒頭でも書いておりますが、多くの人々は、休養というのは、体を休めて眠る事と考えている人が多いかと思いますが、ここでお伝えしたいことは・・・
『疲労』の対義語は『活力』である。
なんとなく、疲労の対義語は『休養』かなと思いがちですが、疲労の対義語は『活力』であり、疲労を体から完全に取り除くには『活力』が必要なんです。
もちろん休養も必要なんですが、言葉で伝えるよりも絵の方が分かりやすいので、人間の体を充電で表すと下図の様になります。

活動により充電が減ると、休養で半分程度順でし、活力で満充電に戻します。
②活力は、あえて負荷をかけること
休むだけでは体は完全に回復する事は出来ません。あえて負荷をかけることで、体は回復し新たに活動が出来る様になります。
筋トレと同じで、あえて負荷をかけて、しっかり休む。この繰り返しで体がどんどん丈夫になっていきます。
この負荷のかけ方にもポイントがありますので、お伝えします。
- 自分で決めた負荷
- 仕事とは関係ない負荷
- 自分が成長出来る負荷
- 楽しむ余裕がある
皆さんの周りでも、いつ休んでいるんだろうと思うくらい活動的な方々っていますよね??実はそういう方々は、自分で楽しむ活動をする事で体の休養になっており、それを繰り返す事で体もどんどん丈夫になっていると考えると、この休養学の説明がつく気がしますね。
③3つの休養モデル
負荷といってもどんな負荷が良いのか想像つかないかもしれないので、本書でオススメしている休養モデルを3タイプご紹介します。
- 休息タイプ
一番休養のイメージに近いもので、休憩や睡眠をとることや、あえてゴロゴロする事で、大事なのは自分で決めて休むという事です。 - 運動タイプ
攻めの休養と言われますが、ストレッチや散歩等、軽い運動をする事で、老廃物の除去が促進されたり、リンパの流れが良くなったり、疲労感の軽減に繋がります。 - 栄養タイプ
食べ過ぎは、疲労に繋がります。腹八分目を意識し、胃腸への負担を減らす事も休養の一種です。また糖分やアルコールの過剰摂取等、体へ入れる物も意識しましょう。
- 親交タイプ
社会や人と交流したり、自然や森林に触れあったり、海で波の音を聞く事もで体を休める事が出来ます。 - 娯楽タイプ
音楽を聴いたり、映画を観たり、趣味の習い事や読書等々、自分の好きな事を少しでも追及してみましょう。 - 造形・想像タイプ
絵を書いたり物を作ったりと、何かに集中する事が出来ると、疲労感の軽減に繋がります。
- 転換タイプ
洋服を買える、部屋の模様替えをする、旅行に行く、等々、外部環境を変化させる事で、気分のリセットをする事が出来ます。
以上、大きく3つのモデルがありますが、早速取り入れてみてはいかがでしょうか。
3.追加で抑えておきたい休養知識

①疲れた時はスイーツ!?
疲れた時には、甘い糖分をとると疲れがとれるといいます。実際に、集中力が増したり元気が出たりすることは同意出来るのではないでしょうか。
このトリックを簡単に説明すると、疲れているときに糖分をとると血糖値が上がり、興奮状態になります。これはリラックスしたい状態をマスキングして、強制的に興奮状態を作る行為なので、良いとは言えません。人間は興奮・緊張状態とリラックス状態を交互に入れ替えながら生活しており、そのバランスを強制的に崩す行為なので、体に負担がかかっているという事は覚えておきたいですね。
②お酒は、やっぱりよくない
疲れた時や暑い夏にキンキンに冷えたビールは最高に美味しいですよね。また、寒い冬に鍋をつつきながらチビチビ飲む熱燗なんかも最高です。このお酒というのは、気持ち的に楽しくなるものなので、ほどほどであれば精神的には良いと思います。
しかし、体への負担は大きい事は理解しておきましょう。
お酒を飲む事で、肝臓はフルパワーでアルコールの分解作業を行い、麻酔と同じ効果で眠りにつきます。この眠っている間も肝臓は働く為、深い眠りにつくことができず、夜中に目覚めやすくなり、脱水状態にもなり、体は完全に疲れ果てます。
休養の為にお酒を飲むという考えもあるかもしれませんが、結局疲労がたまるのでは本末転倒ですので、体と心のバランスを考えながらお酒を楽しみたいですね。
(そんな簡単にはいきませんが・・・)
③やっぱり睡眠は大事
休養学では、睡眠以外の大切さを説明してきましたが、やはり休養は睡眠が大前提になってきます。程よい睡眠で体の充電していきましょう。
例えば、昼寝ですね。最近では『パワーナップ』という言い方をしますが、15~20分の昼寝で疲れがスッキリして、判断力・理解力・集中力・作業効率等がアップします。しかし20分を超えてくると、深い眠りに入るので目覚めが悪く逆効果になります。
また、夜の深い睡眠は一番大切にしないといけません。
なかなか寝つきが悪いという方は、原因の理解が大切です。以下の調整方法を試してみてください。
- 恒常性調整系
⇒興奮して眠れない
・リラックス出来る方法を考えましょう。 - 覚醒調整系
⇒昼間の覚醒状態が続く
・目が覚める要因をシャットダウンしましょう。 - 体内時計の調整系
⇒夜が明るく朝が暗いと体内時計が狂う
・寝たい時間の14~16時間前に日光を浴びましょう
・夜はブルーライトを避けのも効果的
睡眠薬というのも、上記の原因を排除する為のものなので、原因さえわかっておけば薬に頼る必要なんてありません。
結論的には、規則正しい生活をしましょうという事になってきますが、休養の正しい知識をつけて、長く成果を出し続ける事が出来るビジネスパーソンを目指していきたい方は、是非参考にしてみてください。
まとめ
簡単におさらい
- 疲労とは、体のバランスの崩れ
- 休養は睡眠だけではない
- 糖分やお酒は体への負担がある
ということで、今回は、
「疲労回復は、睡眠+『活力』です。」
についてでした。




















